連携施設医師からのメッセージ
国府台病院 荒木 沙織先生 (2006年卒業)
国府台病院の荒木沙織と申します。
私は2006年に東京科学大学を卒業し、市中病院にて初期・後期研修を行い2010年に当教室に入局しました。入局後は東京科学大学病院、さいたま赤十字病院などで経験を積ませていただき、2017年より現在の国府台病院で勤務しております。
大学病院では、特に悪性腫瘍の症例・手術が豊富ですので、悪性腫瘍に対する根本的な考え方を教え込んでいただきました。またカンファレンスなどで多くの素晴らしい先生方の考え方に日々触れることができ、研究などの学術面でも多くのことを教えていただきました。さいたま赤十字病院では、悪性腫瘍手術はもちろんのこと、結石や骨盤臓器脱などの良性疾患も多く経験させていただき、バランスよく多くの症例を経験させていいただくことができました。
現在勤務している国府台病院は、千葉県市川市にある300床弱の比較的こじんまりとした中規模病院です。各科の垣根が低く、他科の先生とも気軽に相談しあい協力できるのは、中規模病院の魅力だと感じております。市中の基幹病院ほど症例数は多くありませんが、悪性/良性疾患をバランスよく学べ、泌尿器科医としての基礎を築けると思います。
私自身は、現在9歳の子供の子育てに奮闘しつつ仕事をさせていただいております。仕事と家庭の両立は想像以上に本当に大変です。教室の先生方の温かいサポートがなければ、とても泌尿器科医を続けることはできなかったと思います。常に100%の力で働けなくとも、辞めずに泌尿器科医として仕事を続けることができたのは、多様性をもった働き方をサポートいただいた教室の先生方のおかげであり、大変感謝しております。最近は女性泌尿器科医も増えてきていますので、ぜひ女性でも臆せず入局いただければと思います。
みなさまの入局をお待ちしております。
埼玉県立がんセンター 井上 雅晴先生 (2005年卒業)
私は2005年に東京科学大学を卒業し、初期研修の後、2007年に東京科学大学腎泌尿器外科学教室に入局しました。その後、埼玉県立がんセンターで3年、総合病院土浦協同病院で約3年勤務した後、東京科学大学に戻り、2015年に学位を取得しました。2017年からは国立がん研究センター東病院で腹腔鏡手術やロボット手術を習得し、2020年から埼玉県立がんセンターで勤務しています。
埼玉県立がんセンターでは、若手の頃から多くの手術を経験することができ、私自身も後期研修1年目からの3年間で前立腺全摘や膀胱全摘などのmajor手術を100件以上執刀させてもらいました。現在も後期研修1年目からRALP(ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘)の執刀をしてもらっており、これまでの当院の卒業生たちは全員がRALPのプロクター認定に必要な症例を経験しています(泌尿器科専門医を取得しなければプロクターの認定の申請はできません)。
東京科学大学腎泌尿器外科学教室は、大学で論文や海外発表を早くから経験できることともに、特に泌尿器がんの症例の豊富な施設がいくつかあり、豊富な臨床経験を積めることも魅力なのではないかと思います。
皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしております。
がん研究会有明病院 小口 智彦先生 (2003年卒業)
私は、佐賀大学を卒業後、2003年に信州大学泌尿器科学教室に入局しました。
関連病院で研鑽を積み、長野県で医療に従事していましたが、転居に伴い退局し、2020年より東京科学大学腎泌尿器外科学教室に入局させていただきました。医師19年目になります。
がん研究会有明病院(がん研)に勤務し、3年目を迎えました。
がん研は、手術症例数が多く、中でもロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘の実施数は全国有数です。
婦人科・大腸外科による骨盤内蔵全摘や尿路合併切除もしばしば行われ、その尿路変向(回腸導管、尿管皮膚ろう、尿管尿管吻合、膀胱尿管新吻合、回腸間置)も担います。
ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘、腎部分切除、腹腔鏡下腎摘・腎尿管全摘はもちろん、開腹での腎尿管全摘+リンパ節郭清、精巣腫瘍化学療法後の後腹膜リンパ節郭清、開腹での後腹膜腫瘍摘出術など多彩な手術を行っています。
手術チームは3つありますが、どこのチームにも医科歯科の先生がいます。部長からレジデントまで13人中7人が医科歯科の医局に所属しています。学年が近い先輩もいますので、何かあっても相談しやすい環境です。
医科歯科関連ではない先生方もみな人当たりが良く、行き届いた指導を受けられます。
経尿道的膀胱腫瘍切除術、前立腺針生検は主に、レジデントの先生に担当してもらいます。
開腹手術やロボット支援手術、腹腔鏡手術については、最初、助手を務めることになりますが、段階的に術者も経験できます。
回腸導管造設、腸管腸管吻合は最もありふれた開腹手術操作のため、携わっていただく機会がたくさんあり、レジデントの先生でも、半年後には一通りの手技を習得しています。
進行がん患者さんの尿路閉塞に対する、腎瘻造設・尿管ステント留置も数多く実施しています。
病棟には、腹腔鏡トレーニング用のドライボックスがあり、縫合や結紮の練習が可能です。
1-2ヶ月に1度、駒井先生主催で、腹腔鏡のハンズオンセミナーや辰巳のIntutive Surgical東京トレーニングセンターでのダヴィンチのシュミレーショントレーニングを開催しています。がんセンター中央病院と聖路加国際病院と合同で腹腔鏡の勉強会も行っています。
忙しい臨床の合間にはなりますが、症例データが豊富にあるため、上級医の指導のもと、学会発表・論文作成も行えます。
間違いなくたくさんの症例を学べる病院です。ぜひ我々と一緒にがんと闘いましょう。