当教室の特徴
1.低侵襲手術法の開発・実践
東京科学大学・腎泌尿器外科学教室では、ロボット支援手術(da Vinci)に積極的に取り組んでいます。現在、私たちの関連施設では、東京科学大学病院、4つのがんセンター(がん研有明病院、埼玉県立がんセンター、国立がん研究センター東病院、がん・感染症センター都立駒込病院)、3つの地域中核病院(土浦協同病院、JAとりで総合医療センター、さいたま赤十字病院)の8施設、さらに連携臨床研修プログラム施設である獨協医科大学病院、獨協医科大学埼玉医療センターも含めると、計10施設にda Vinciが導入されており、若い先生方にロボット支援手術を学ぶ機会を広く提供し、また、若手術者の育成にも積極的に取り組んでいます。東京科学大学病院では、2022年3月現在、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除・膀胱全摘除・腎部分切除・仙骨腟固定を10名のConsole Surgeon(術者)で施行しています。今後さらに、腎摘除・腎尿管全摘除・副腎摘除に適応を広げ、泌尿器科におけるほぼ全ての術式においてロボット支援手術を導入する予定です。
また、私たちの教室では、これまでミニマム創内視鏡下手術の開発と実践に取り組んできました。ミニマム創内視鏡下手術は、臓器が取り出せる単一の小切開創から、内視鏡と手術器具を挿入して行う低侵襲手術です。ミニマム創内視鏡下手術は、ロボット支援手術とは異なる特徴をもった、低侵襲手術の一つの選択肢となります。
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2.泌尿器癌に対する臓器温存治療法の開発・実践
私たちの教室では、術式の低侵襲化だけでなく、治療そのものの低侵襲化を目指し、泌尿器癌(特に筋層浸潤性膀胱癌、腎癌、前立腺癌)に対する臓器温存治療を開発・実践しています。これらの治療法は国際的にも高く評価されています。
私たちは、癌治療によって損なわれうる臓器機能の温存と、癌の根治の両立を目指し、患者さんにとって真の低侵襲治療を提供したいと考えています。医療は日々進歩していますが、それでもなお、臨床の現場には解決すべき課題が多くあります。臨床医としての鋭い感性を育むことで、臨床上の重要な課題に気づき、その解決に向けて邁進できる医師を養成します。私たちと共に、泌尿器科の未来を切り開く情熱のある若者を大いに歓迎します。
それぞれの臓器温存治療の詳細に関しては、以下のページをご参照ください。
3.泌尿器癌の診断治療における先端テクノロジーの導入
私たちの教室では、泌尿器癌の患者さんに最先端の診断治療を提供すべく、先端テクノロジーを積極的に導入しています。
前立腺癌診断では、MRI画像の緻密な読影と精度の高い生検が求められます。当教室では、最新のUroNavシステムを用いたリアルタイムナビゲーションMRI/超音波融合前立腺生検を積極的に行っています。癌の見逃し率を低下させ、また癌の性状・広がりを正確に診断することで、適切な治療につなげることができます。
膀胱癌診療においては、経尿道的膀胱腫瘍切除術の際に、必要に応じてアミノレブリン酸を用いた光線力学診断を併用しています。手術中に腫瘍組織を同定しやすくなり、再発予防の効果が期待されます。
それぞれの詳細に関しては、以下のページもご参照ください。
4.国際的に活躍できる医師の養成
私たちの教室では、国際的に討議し発信できる医師の養成を最重要テーマの一つとして掲げ、前期・後期研修医のときから積極的に国際学会に参加して発表できるよう、教室を挙げて支援しています。米国泌尿器科学会(AUA)、欧州泌尿器科学会(EAU)をはじめとした国際学会において、毎年多数の演題を発表しており、高い評価を受けています。
優秀な泌尿器科医の育成には、良く学び、また良く遊ぶことも大切と思われます。学会場で大いに学んだ後には、参加した教室員で食事や観光を楽しんでいます。(新型コロナウィルス感染症が収束し、このような日々が再び訪れることを切に願います。)
学会発表と並び、研究成果を英語論文としてまとめることが重要です。若い先生方が研究テーマを見つけ、最終的に論文発表するまでの過程を、経験豊富なスタッフがサポートします。
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