先進的な医療

ダビンチ(da Vinci )Xiによるロボット支援手術

東京科学大学では、2017年9月に、最新鋭の手術支援ロボット「ダビンチ(da Vinci)Xi」を導入しました。術者はコンソールという機器から、鮮明なハイビジョン3D画像を見ながら、コントロールハンドルで精密な手術操作を行います。私たちは、現在前立腺がんに対する前立腺全摘除でロボット支援手術を行っています。

ロボット支援手術による前立腺全摘除の長所としては、術中の出血が少ないこと、機能温存が向上する可能性(術後の尿失禁や勃起機能低下からの回復が早いこと)、正確に患部を切除できること(出血が少なく、拡大3D視野で正確な切除が可能)などが挙げられます。このような利点を有することから、現在、米国や日本では大半の前立腺全摘除がロボット支援手術で施行されています。

一方、短所としては、併存疾患によっては手術ができないことがあります。例えば、前立腺全摘除では頭を下げた体位で手術を行うため、呼吸機能障害や緑内障の患者さんは手術を受けられない可能性があります。また骨盤の手術を受けたことがある患者さんでも手術を受けられないことがあります。なお、私たちは、このような場合でも、ミニマム創内視鏡下手術により、低侵襲の前立腺全摘除を行っています。